弟、妹の誕生は、子どもにとって嬉しいことばかりではありません。
お兄ちゃん、お姉ちゃんになると同時に我慢しなければならないことが増えるのです。
子どもに不満が溜まらないように、気を付けて接しましょう。

弟、もしくは妹の誕生は、今までお母さんやお父さんの愛情を一人で受けてきた子どもにとって、とても大きな出来事です。
弟、妹が誕生することによって、お母さんはどうしても小さい弟や妹の面倒に時間をかけてしまいます。
お母さんが自分の面倒を見てくれない時間が増えるので、お母さんからの愛情を取られてしまった、と不安な気持ちになってしまうのです。
こういったストレスから、赤ちゃん返り(※)をする子どもも少なくありません。
つい最近までは、お母さんの膝の上は上の子の特等席だったのに、下の子の誕生によって席をとられてしまうので、取り返したいと考えるのです。
子どもながらどう取り返すか考えた方法が、赤ちゃんに戻る=赤ちゃん返りとなるのです。

赤ちゃん返りとは、子どもが今まで出来ていたことをやらなくなったり、今まで以上に甘えてみたりすることを言います。
例えば、トイレは1人でできるようになったはずなのに、おもらしをするようになってしまうことがあります。
これは、赤ちゃんがしていることを真似してみることで、お母さんの愛情を取り戻したいという気持ちから起こしてしまう行動です。
こういった行動は、下の子どもができた時、トイレトレーニングを始めていた場合や、入園する時などに起こることが多いです。

不安な気持ちをはっきりお母さんに表現できる子どもは、弟や妹ができたとしても、あまり心配することはありません。
ぐずったり、わがままになって不安な気持ちをお母さんに伝えることによって、ストレスを発散しているのです。
お母さんに愛されているとわかれば治まってくるでしょう。
ただし、お母さんが怒ってばかりだったり、甘えてきても無視してしまうと、なかなか治らないこともあります。
逆にあまり甘えることのない子どもは、うまくストレスを発散することができずに溜め込んでしまうので注意が必要です。
このような場合に、お母さんが下の子ばかりかまってしまうと、子どもは愛されていないと感じてしまい、ずっと引きずってしまう事があります。
少しでも様子がおかしいことがあれば、沢山褒めてあげたり、2人きりでおでかけをしたりと、コミュニケーションを増やしてみてください。

弟、妹に暴力を振るう事もよくあるかもしれません。
原因はほんの些細な物の取り合いなどですが、一度ケンカが始まれば大きなケンカまで発展することがよくあります。
このような場合は、ケンカの原因となるおもちゃを2人分用意しておく、お菓子は2人別々のお皿で用意するなどの対応をしてみたらどうでしょう。
また1つしかないおもちゃなどでケンカを始めた場合に、なにか興味をそそる別のおもちゃがあるといいですね。





年齢の近い兄弟だと、どうしても上の子が我慢することが増えてしまいます。
そういう時は、下の子が寝た後で上の子を思いきりかわいがる事も大切です。
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、少しくらい我慢しなさい!」なんて怒らないようにしましょう。
ただでさえ下の子のことがうらやましく思っている上の子を怒ってしまうと、更に下の子がうらやましくなり、お母さんを取り戻そうと甘えたり、わがままになってしまいます。
「さすがお兄ちゃん(お姉ちゃん)頼りになるね。」などと、褒めてあげることが大事です。

下の子の世話に追われている時に、上の子がよく話しかけてきたり、邪魔をしたりすることがありませんか?
こういった場合に、下の子の世話をしながら上の子の対応をするのでは、子どもに不満が溜まってしまいます。
手を止めしっかり上の子の目を見て対応しましょう。
そうすることによって、お母さんは自分の事を見ていてくれている、お母さんはやっぱり僕(私)のことが好きなんだ、と実感することができるのです。
そのうち、下の子の世話を手伝ってくれるようになりますよ。

赤ちゃん返りが長引くと、自分の育て方が悪いのかと悩むお母さんもいますが、あまり気にする必要はありません。
できる範囲で甘えさせて遊ぶ時間をなるべくとるように心がけていると、上の子も成長して、次第に不安な気持ちを乗り越える事ができるでしょう。
あまり気にしすぎて育児ノイローゼにならないように注意してください。
旦那さんがいる時には、協力してもらい、上の子との時間を作れるようにしてみてください。
※育児ノイローゼに関して、詳しくはこちらをご覧ください。

旦那さんの言う事はきちんと聞くけど、お母さんの言うことはイヤイヤと言うことがよくあります。
それは、お母さんのことを信頼しているからワガママが言えるのです。
旦那さんの言う事を聞くようでしたら、旦那さんにオムツ替えや遊んでもらうようにしてもらい、お母さんの負担をぐっと減らし、心の余裕を作ってみてはどうでしょう?
今の時期はつらいと思いますが、それだけ信頼を得ているということです。
子どもも頑張っている時期ですので、無理しない程度にお母さんも歩み寄りましょう。



